のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

ダイエットとYouTubeとキューピーちゃん

ここ1年間で8キロの減量に成功した。


きっかけはほんの些細なこと。わたしが接客しお客さんを見送ったあと、同僚がわたしに、「後ろ姿似てますね」と言ってきたのだ。


似ている、というのはさっきまでわたしが話していたお客さんのことである。

その方はべつにふくよかなわけでもないのだが、どことなくムチっとしていた。


後ろ姿、というのが絶妙だった。


お腹、二の腕、二重顎など、日頃鏡やともだちと撮った写真でじぶんの体型をチェックできるが、背中というのはなかなかじぶんで見る機会がない。

なるほど、ああいう感じなのかわたしは。

初めて客観的にじぶんの背中を見た気がした。


同僚は悪気はなく、ただ見たままを言っただけなのだろう。

けれど、ダイエットを決意しては挫折する日々を過ごしてきたわたしが、本気で痩せてやろうと決意する十分なきっかけになった。


そもそも、ムチっとしているとじぶんで分かっていたのに、なぜこれまで痩せれなかったか。


小さい頃、母はわたしのことを「キューピーちゃん」とふざけて呼ばれたことが時々あった。


理由は「お腹がキューピーちゃんみたいにぽっこり出ていた」からである。

今の時代だと色々問題がありそうなあだ名だが、そこは母からの、日常で惜しみなく与えられる愛で上手くコーティングされ、傷つくことはなかった。


しかし、それは「わたしは元々ぽっこりお腹の体質なのかも」という、なんの根拠もない思い込みにつながり、ダイエットするうえでの大きな弊害になった。


ダイエットはまず、家でできる簡単な筋トレから始めた。

信号が点滅しても、ぜったいに走らないわたしだが、家で数分だけする筋トレはぜんぜん辛くなかった。


飽き性なので、YouTubeで筋トレ動画を探して数日続け、飽きて、違うYouTuberの筋トレ動画をやるということを延々繰り返しできたので、いつでも新鮮な気持ちで筋トレができるのだ。

YouTubeがある時代に生きてて良かった。


さらに、ネットでおいしいプロテインも見つけて、筋トレからプロテインを飲む習慣ができた。


つぎは食事。

初めの頃は、糖質制限・夜は炭水化物を抜く、もしくは糖質ゼロ麺を食べるということをしていた。


が、壊滅的に向いていなかった。

ご飯を抜いた夕飯はすぐにお腹が空いたし、

糖質ゼロ麺を食べると「これは紛い物だ」という考えが頭から離れなかった。置き換えのはずが、気持ちはずっと糖質にあったのだ。虚無だけが残った。


置き換えは無理だとわかったので、食べなくても困らないものをやめることにした。

白米はぜったいにやめられないと分かっていたので、かわりにパンをやめた。糖質が高く、すぐお腹が空くからである。

揚げ物もやめた。大好きなベーコンやソーセージは…控える。それらはどうしても、やめられなかった。たまになら良しとした。


タンパク質をしっかり取ることに気をつけ、食物繊維もたくさんとるように意識した。


正直、わたしは野菜はメインの添え物にすぎないとずっと思っていた。実家でサラダというと、キャベツを千切りにしたものに市販のドレッシングをかけるだけだったのだ。


じつはキューピーちゃんのお腹は、糖質と脂質と添加物でできていたのだった。


野菜をどうやって、おいしく食べられるか。

またもわたしはYouTubeを頼った。

すると、サラダをおいしく食べる方法という動画を見つけた。

そこで説明されていた通り、レタスは洗い、手でちぎったあと、サラダスピナーで水気を切り、数分冷蔵庫に冷やしてみた。

味付けは、塩胡椒とビネガーとオリーブオイル。

ものすごーくフレッシュでおいしかった。


それは数年前、オーストリア旅行に行ったとき。どのレストランでよく出てきた、なんてことない、レタスだけなのにいくらでも食べられるサラダ。その味だった。


そこから、野菜はおいしくなる調理方法を知っていれば、いくらでも食べられることを知った。にんじんや玉ねぎはよく炒めるととても甘くなることが分かった。


野菜がおいしいんだと気づいたのは、ダイエットをしていちばん、良かったことかもしれない。


最後はダイエットをするときの環境について。周りのひとに言うかどうか。


ネットで調べてみると、これが賛否両論であった。

ダイエットをしているということで、おかしや食べ過ぎているときに「ダイエット中でしょ」と叱咤してもらえるという意見や、ダイエットを阻止されそうになった、足を引っ張られたという意見も見受けられた。


思い切って、わたしは職場の人たちに「ダイエットをします」と宣言することにした。


すると、「ダイエットわたしもしようと思ってます」と言うひとや、YouTubeのおすすめ筋トレ動画を教えてくれるひとまで出てきた。

これまで気づかなかったが、同志は近くにいたのだ。


さらに予想外だったのが、いかにもリーダーという感じの、じぶんにも他人にも厳しいマネージャーが健康オタクだったことだった。


クールでいつもは雑談にぜんぜん入ってこないのに、急に話に入ってきて、いろんな知識や食材の栄養素、効果など教えてくれた。

ダイエットっていうのはすごく一般的でだれにも通用する話題なんだなと学んだ。


情報はあればあるほど良い。じぶんに合うものを選べば良いのだ。

周りのひとのアドバイスや情報源からオートミールを食べるようになり、体重は順調に落ち、周りから痩せたねと言われるようになった。目標体重も達成。キューピーちゃんを卒業。

ミッションコンプリートである。


これからさらにダイエットを頑張るかどうかは今のところは決めていないが、リバウンドはぜったいに防ぎたい。

この記事を、未来のわたしに残したい。