のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

元同期Bのプライド

わたしはプライドが高い。とても自覚がある。

常に「わたしの人生の主役は、わたしである」という意識があるので、他人から暇つぶしに眺める動画のような、雑な扱いをされた瞬間、距離を置いたり、すぐに縁を切ってしまう。

ほかのひとの人生、という視点からだと、当然わたしは知人Aであり、友達Bである。
けれど、いかにもそういう存在であることが透けてみえるのは、ぜったいにいやだ。

みんなに好かれなくても、わたしのことを面白がってくれる、ごく一部の友達や周りの人たちに必要とされたいし、お互い対等で信頼し合っている存在だと信じたい。
そして、そういう素晴らしい人間関係を築いてきたという自負がある。

しかし不思議なことに、わたしを雑に扱ってきたひとたちは、マメに連絡をとりたがったり、会いたがるのだ。

相手は、雑に扱っている意識はないのだろうが、純粋に会いたいと思ってくれてるとは感じない。
じぶんと比較する他人のうちの1人という存在、情報の一つとしてわたしを見ているのだと思う。

例えば、学生時代から今まで、特に仲良くもなかった同級生から、急にSNSのフォロー申請がくる時。
「彼女/彼にとって、わたしはいっ時の好奇心を満たす存在なんだな」と感じる。
先日も、そういう感じの同級生2人から、同時に申請がきて、「こいつら絶対飲み会のツマミでフォローしたな」とゲンナリした。
別にその人たちから何か嫌なことをされたわけでもないし、わざわざ波風を立てたくないので、申請の拒否はしない。ただ、せめてものちっさい抵抗で、1日か2日くらいたってから承認するようにしている。

最近であったのは、前職の元同期とのことである。
いろんな話をする仲で、よくみんなで飲みに行ったりランチをした。仲は良かったし、友達だと思っていた。

しかし、わたしが前職を辞めて少し経った頃、その子がSNSで結婚をしたと投稿したのだ。

結婚相手は前職の後輩だった。
同期ほど仲良しではないものの、同じ飲み会に参加したり、数人で遊んだことのある人であったのだ。
付き合っていたこと、結婚すること、ぜんぶそのSNSの投稿から知り、なんでも話せる間柄だと思っていたので、かなりショックだった。

あとで他の人から聞いたところによると、職場のごく一部、別の部署で、同期の結婚相手を知らない人たちには、彼氏がいることも、結婚することも言っていたらしい。

けれど、わたしと同様、同期と仲良かったのに知らなかったという人が数人いたので、わたしだけ知らなかったのか、と落ち込むことはなかった。

「まあ、プライベートのことを話したくない子だったのかな。今までありがとな」と、納得し始めた頃、前職の先輩から、みんなで集まろうと連絡がきた。
もちろん同期も参加する飲み会である。
新たなグループラインのお誘いの通知と、メッセージを受けたとき、正直「いきたくねー」という気持ちしかなかった。

先述の通り、距離を置いていくスタイルなので「新しい職場でスケジュールが合わなそうなので、今回はやめておきます。楽しんでくださいね」と返した。
残念だねーとかそういう、よくある返しが数人からきて、やれやれと思った矢先、
同期から個人ラインで、
「仕事決まったんですね!おめでとうございます!どんな仕事なんですか?」ときたのだ。

えっマジか。

仲良しの後輩と付き合ってたことや結婚したことは一切伏せてたのに、他人のことは知りたがるんだ。
じぶんの情報は秘密で、他人のことは常に把握しておきたいってこと?
てか、わざわざ個人ラインで聞いてくるもの?グループで聞いてもいいのに?
がっつり転職先の詳細聞く気じゃん。

正直ドン引きした。
しかし、すぐにわたしは「ちょっと気になった情報を気軽に読めるフリーペーパーのような存在になりたくない」という意地から「ありがとうございます〜また会う機会があったら話しますよ。」と返したのだった。

同期にとってわたしは、プライベートを明かすほどでもない存在のようだし、わざわざ会おうとは言ってこないだろうと計算してそう伝えたのだ。

だが、同期からは「会いましょう!いつ会えますか?」と返信がきたのである。予想外で驚いた。

わたしが辞めた後、同期も前職を辞め、のちに転職したと本人から聞いた。詳細は聞いていない。

同期は元々噂話が好きで、わたしは彼女からよく職場の同僚や先輩の噂話を聞かされていた。確証はないが、彼女は周りと違うことはしたくないタイプに見えた。
恐らくじぶんの転職先と、わたしの仕事を比べたいのだろう。じぶんの選択が正しかったと思いたいのだろうか。
思えば、噂話好きな彼女が、後輩と付き合うという、いかにも噂話になりそうなことを隠し続けていたのは、興味深いことである。噂するのは好きでも、されるのは絶対に嫌って面白いな。

「忙しい」「スケジュールが埋まっている」、そんな言い訳を繰り返し、もう数回程同期の誘いを断っている。
いい加減諦めてくれないかなと、彼女から遊びの誘いがくるたびに思う。鈍感なのか、距離を置こうとしていることを気づいてるのか..。

どうしてそこまでして他人のことを知りたいのか、正直全く理解できない。
わたしと遊んだ後、彼女は家に帰って旦那になったあの後輩と、「〜さん、いま〇〇してるんだって〜」と話のネタにするのだろうか。
どうでもいい存在に、わたしのことを知られたくない...

そんな妄想に拍車がかかり、じぶんでは手に負えなくなってきたので、彼氏に同期とのこと、お誘いがくることを愚痴ってみた。

「別に付き合ってるとか、結婚するとかわざわざ事前に報告するもんじゃないんじゃない。それに、結婚相手と知り合いだったら、恥ずかしかったりで言いづらかったんじゃないかな。
事前に言われてないだけだし、気にしすぎだよ」と彼は言っていた。

そういうものなのか、普通はみんな気にしないことで、大したことじゃないのか。

そうだ。わたしだって、広い心を持って彼女を受け入れたい。
会いたいって思ってくれてるだけ、ありがたいじゃないか。
忘れないでいてくれて、たまに連絡をくれて。そのうち誘われなくなって、あの時会えば良かったなって後悔するかもしれないし。
一度くらい会ってみても



....

いや、やっぱ無理。ごめんなさい。

彼女との攻防は続く。