のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

故郷はいずこへ ジョゼッペ・トルナトーレ監督映画「ニューシネマパラダイス」※すこしネタバレ含みます

以前イタリア映画について書いたときに、いつかニューシネマパラダイスについて書くといったが、先日劇場版(ショートバージョン)をみたので、書きたいと思う。 noguchiyo06.hatenadiary.jp 映画好きな人、とりわけヨーロッパ映画が好きな人は絶対に見るべ…

人生と美について サマセット・モーム「月と六ペンス」

本屋でちらっと読んで買った本だけれど、絶対に好きな本だなという直感が当たった。 二十世紀前半、イギリスを代表する作家、サマセット・モームの小説である。 月と六ペンス (新潮文庫) 作者: サマセットモーム,William Somerset Maugham,金原瑞人 出版社/…

あの頃の授業と永田豊志 「頭のいい人は『図解思考』で考える!」について

高校生の頃、公民の授業が好きだった。担当は20代後半~30代前半の若い男性の先生だったと思う。 面長でほっそりとした先生で、髪はいつも短くきちんと刈り上げていて、いつみても同じ髪型。 黒板の文字を上から下へ、まっすぐひいて消していくので、そ…

華やかな時代の終わり NHKドラマ「平成細雪」

谷崎潤一郎の「細雪」に興味を持ったのは「『婦人公論』にみる昭和文芸史」を読んでからだった。 『婦人公論』にみる昭和文芸史 (中公新書ラクレ) 作者: 森まゆみ 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2007/03/01 メディア: 新書 クリック: 21回 この商品…

悔しさをばねに偉業を成し遂げた女性の大河小説 渡辺淳一「花埋み」

渡辺淳一の「花埋み」読了ほやほや。本の感想を書きたいと思う。 花埋み (新潮文庫) 作者: 渡辺淳一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1975/05/28 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (6件) を見る 明治時代に誕生した、日本初の…

ニートの扉が開きました

退職した。 あっという間に手続きは終わり、もうオフィスに行くこともない。 幼い時からずっと「普通」と言われていることが、理解できなかった。 人によって顔形が違うように、ひとそれぞれ考えが違うのに一括りにされることがわからなくて、それは会社員に…

新聞コラムにまつわるエトセトラ

人のブログや雑誌などのコラムを読むことが好きで、時間を忘れて読み漁ってしまうことがよくある。 我が家は読売新聞をとっているのだが、朝刊の一面よりも、スポーツ面よりもまず始めに読むのは「編集手帳」である。(ここでどの新聞をとっているか、という…

いつでもどこでも本といっしょ

本屋の品ぞろえは、世情を表しているなあと思ったのは、ニューヨークにいた頃に現地の本屋に行ったときである。 シェイクスピアと聖書がそれぞれ本棚のカテゴリーがあり、それらの本の数も多かったので、全然日本の本屋と違うことに驚いた。日本作家だと村上…

愛すべき、古き良きイタリア映画について

平昌オリンピック、特に男子フィギュアスケートは日本人選手が金・銀メダルを勝ち取ったため、今私の周りはその話題で持ちきりである。 ただ、私は高橋大輔選手が道化師衣装で演じた、イタリア映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督の「道」がずっと忘れら…

変わったところと変わらずあるところ 村上春樹「やがて哀しき外国語」

良い時代に生まれたと思う。 日本の「アニメ」が世界的にもてはやされて地位を築いたというのは、良いことだ。 そのおかげで、海外旅行、短期留学中に大きな差別をされた経験は今のところない。 日本出身だよ、と話すと社交辞令も勿論あると思うが相手は「Oh…

わたしは西洋かぶれである

幼いころから母に西洋美術館に連れていかれ、ヨーロッパ絵画に触れる機会が多かったせいか、文化も芸術も、西洋のものを好む傾向にあった。 一番古い記憶だと、車で西洋美術館へ行ったことだと思う。 兄も、父も全く芸術というものに興味がないし、そもそも…

「乳白色の肌」の画家 藤田嗣治と近代史について

「もしも生まれ変われるなら、どの時代に生まれ変わりたい?」 と聞かれたら、わたしはエコール・ド・パリと即答できる。 ちなみに、同じ問いを母に尋ねたことがある。答えは、江戸時代の江戸(東京)だそうだ。 どうして?と聞くと 「表参道とか、地価が高…

ひとは多面性がある コナリミサト「凪のお暇」

ひとは多面性のあるものだ、ということを思い出させてくれる漫画である。 凪のお暇 1 (A.L.C. DX) 作者: コナリミサト 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2017/06/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る まず「お暇」という言葉を使っ…

好きなものって全部つながってるよね、という話

最近お昼に「越路吹雪物語」というドラマがテレビでやっている。 越路吹雪の伝記的ドラマで、瀧本美織と大地真央がそれぞれ、時代を演じるらしい。 瀧本美織が演じている話を1話だけ見たが、あんまりしっくりこないな、と思った。 歌も演技も申し分ないのだ…

グアテマラとコーヒー 片桐はいり「グアテマラの弟」

わたしが、片桐はいりの「グアテマラの弟」をブックカフェで見つけ、手に取ったことは当然のことであった。 毎朝家のコーヒマシーンで淹れるほど、コーヒー好きだからだ。 特にブラックコーヒーで飲むことが好きで、お昼も必ず買うし、休日に友達と遊ぶ時は…

すき焼きの生卵はソースか、なんのためにつけて食べるのか

すき焼きは2日目に限る。 それは、ほとんどの煮込み料理にあてはめられるかもしれない。 カレーはその代表選手だと思う。 ただわたしにとっては、すき焼きがダントツの一位だ。 あまじょっぱいあのたれが、肉や野菜をさらに柔らかくして味をしみこませる。 …

高度経済成長期の失望 三島由紀夫「命売ります」

「命売ります」 タイトルで星新一の作品かと思ったが、かの三島由紀夫…! 命売ります (ちくま文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/02/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (34件) を見る わたしの初…

おしゃれになるためには必要な、当たり前のことを学んだ話

生まれて初めてロングヘアーになった。 とりあえず髪を伸ばしてみようと思い、放っておいたら、あっという間に髪ブラができるようになった。 私はマメなタイプではない。髪の扱いが雑草並みである。 髪を伸ばしてみると、意外にパサついたり、シャンプーによ…