中国人の友達が東京へ遊びにきた! 1
ニューヨークにいた頃、知り合った日本人の方が、銀座で自身ブランドのポップアップストアを開くことになった。
これはめでたいと共通の友達である中国人の友達に早速連絡することに。しかし問題が発生。Wechatのアカウントのパスワードを忘れてしまい、ログインができなくなったのである。
Wechatとは、中国版LINEのようなもので、 中国で基本的にはTwitterやFacebookなどの世界共通のSNSは使えない。政府がSNSを管理しているので、Wechatや中国版TwitterのWeboなどが独自に発達しているのだ。
つまり、中国に住む本土の友達と連絡を取るには、Wechatのアカウントがあることが大前提である。(メールなどの手段もあるけど、私たちの周りはみんなあまり使っていない)
帰国してからWechatのパスワードを忘れ、ログインできなくなってしまったので、数か月以上前に新しくアカウントを作り直し、また友達に連絡がつくよう試みた。
中国の友達とはSNSでフォローしあっているのだが、もちろん違法である。違法なのにやって大丈夫なのか、と思ったけれど割といるんだそうだ(ばれるとどうなるんだろう。怖いからあまり考えたくないが…)
その友達へ再度新しいWechatのアカウントで「○○さんが銀座でポップアップやるんだって。いかない?」と連絡してみた。
「いく!」と快い返事。こうして友達の東京行きが決まったのである。
わたしは友達が来るまで、うれしい反面ずっと不安だった。
久々に一日中、英語を話すことになるので、わたしのつたない英語でコミュニケーションが取れるかということと、東京のいいところや観光地がよくわからなかったからだ。
上野や浅草など、有名な観光地はもちろん知っているが、どうしてもわたしにはルミネや商業施設が乱立する都市というイメージが強い。友達を楽しませることはできるだろうか…絶対また東京へ来たいと思わせたい…!ニートの使命感がメラメラ燃える。
さっそく到着した友達にどこに行きたいか聞いてみた。
参考までに、友達の特徴は下記にて。
友達1
- 出身、在住:北京
- 年齢:25歳
- お父さんのお仕事を手伝っている
- 東京初めて
友達2
- 出身、在住:上海
- 年齢:30代半ば
- 既婚、子供あり
- ジュエリーデザイナー
- 東京は4、5回来ている
日本の桜を見たい!と言っていたのだが残念ながら今年は開花が早く、友達が来る時期には既に首都圏でも散ってしまっていた。花見は難しいと伝えたら、とても残念そうだった。見せてあげたかったなあ。
二人が花見以外でしたいことは
- 買い物
- 美術館へ行きたい
- 観光地ではなく、ローカルなところへ行きたい
- サーモン、ウニが食べたい
まさかのわたしが普段遊ぶルートである。東京まで来たのにそれでいいの?と聞くと「いかにもな観光スポットは嫌なんだ」とのこと。通な観光スタイルである。
初日は友達が到着し、銀座のビジネスホテルにチェックインした後、友達のポップアップストアへ行った。小さいギャラリーだが、ブランドのファンの人たちが調べて尋ねに来てくれるんだそうだ。わたしも商品を一つ注文し、そのままみんなで食事へ。
干物とお刺身のお店。残念ながらウニはなかったけれど、サーモンのお刺身はあったので友達はご満悦。
あまり東京では見ないのど黒の焼き魚があったので、わたしは小躍りした。さっそく注文をし、おいしいおいしいと食べていたのだが、中国の友達はのど黒よりもぎんだらの西京漬けを大層気に入ったようだった。
味付けが少し甘いからだろうか。さっぱり目よりこってりが好みらしい。
二件目は店名は忘れたけれど、チリワインが置いてあるバー。遅くまで思い出話に花が咲いた。
友達は銀座のホテルに泊まったけれど、ビジネスホテルで駅から離れているので、そこまで値段は高くないのだそうだ。
わたしもチェックインのとき一緒にホテルに行ったけれど、部屋は小さかった。東京でビジネスホテルに泊まったことがほとんどないので、きれいだなーこのホテル~とつぶやくと、上海の友達が「そう?日本のホテルって大体こんなもんだよ。狭いけどビジネスでもきれいなのは日本の特徴だよね。」と言っていた。
続けて友達は言う。「わたしはあなたが昔、日本を好きじゃないと言っていたことをよく覚えているよ。日本のいいところを知っている私としては理解できなかった。今回はあなたにとっては日本の良さを知る旅だね」
当時そんなことを言っていたなんてすっかり忘れていた。我ながら擦れたこと言って恥ずかしい。でも「日本の良さを知る旅」かあ。悪くないな。
しかし日本の良さを知る旅といいつつ、旅のほとんどが都内で買い物になるとはその時知る由もなかった。
次は友達爆買いの巻です。