のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

さようなら知的なひと

わたしが尊敬していた、思考の整理学の著者、外山滋比古が96歳で亡くなったと今朝ニュースで知った。


ご冥福をお祈りします。


https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20200806/amp/k10012554611000.html%3Fusqp%3Dmq331AQRKAGYAcb5wKuvi7KDrAGwASA%253D


「思考の整理学」を読み終えてからは、「本を読む本」、「英語の発想・日本語の発想」「乱読のセレンディピティ」、「知的文章術」を次々読んだ。


英文学・言語学の学者で、英語だけでなく日本語の知識や語源についてもかなり博識な作家で、理論的な日英比較が魅力であった。


なによりいちばん衝撃的だったのは、「ことばは文化である」という考え方である。


むかしは「犬に餌をやる」と言っていたのが、今では「犬にご飯を食べさせる」と表現するようになった。


時代が変わり、価値観が変わり、ことばも変わっていく。

外山滋比古の著書を夢中になって読んだものだ。


たしか思考の整理学だったかな。


じぶんと違う専門や知識を持っているひとたちと語り合うと、思いもよらない閃きがあるという章で、中国語と日本語専門の友人とで月に一度語り合うと書いていた。


その約30年後に出版された、「乱読のセレンディピティ」では、かつて語り合っていた友人のひとりは亡くなり、もうひとりは大分衰弱して動けなくなってしまったと書いてあった。当時読んでて物悲しい気分になったものである。


また三人で会えたかなあ。