のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

愛すべき、古き良きイタリア映画について

平昌オリンピック、特に男子フィギュアスケートは日本人選手が金・銀メダルを勝ち取ったため、今私の周りはその話題で持ちきりである。

 

ただ、私は高橋大輔選手が道化師衣装で演じた、イタリア映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督の「道」がずっと忘れられない。

 

素晴らしい演技であることはもちろんであるが、あの「道」のテーマ曲を聴くと、映画のストーリーを思い出して悲しくて涙が出そうになってしまう。

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 考えてみると、ヨーロッパ映画の中ではフランスよりもドイツやスペインよりも、圧倒的にイタリア映画が好きだ。

情熱的なラブロマンスで、わかりやすいストーリーの映画が多いからだと思う。イタリアらしい陽気なキャラクターが多く、ラブストーリーも濃厚過ぎないのだ。

なにより映画テーマ曲が素晴らしい作品が多く、見てから大分時が過ぎても頭にこびりついてしまうため、曲が流れると映画の名シーンが何度でも思い出される。

 

今回のオリンピックの男子フィギュアスケートで、どの選手だったか忘れたけれど、「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ曲で演じていたと思う。私はあの作品も、他のジョゼッペ・トルナトーレ監督作品の大ファンだ。

 

ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 [DVD]

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「一番好きな映画はなに?」と聞かれたら迷わず「ニューシネマパラダイス」と答えるほどの愛着があるので、いつか別の機会に、長々と語りたいと思う。

 

曲が素晴らしいといえば、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「ひまわり」だ。

 

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広大なひまわり畑のシーンから始まる、第一次大戦で引き裂かれた、男女の悲恋映画である。

戦争に翻弄された人々・・・。わたしは何回見ても嗚咽が出るほど泣いてしまう。

主演女優はソフィア・ローレン。わたしは、絶対に椎名林檎ソフィア・ローレンをリスペクトしてるし、たまにオマージュしてると思う。ただまっったく根拠はない。雰囲気が似てるときがあるというだけ。私の独断と偏見である。

 

ひまわり主演俳優のソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニが再度主演をしている「特別な一日」も名作である。

 

特別な一日 [DVD]

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第二次世界大戦勃発前、ファシズムが熱狂的な人気を博した時代。ヒトラーがローマを訪れた日に起きた、ローマの団地妻と謎の訳あり男性とのたった一日の話である。

この映画は本当に素晴らしい。

団地妻の家、謎の男の部屋、らせん階段、屋上。ロケーションはオール団地なのである。ほかの場所が出てこないが、世間と団地妻の一日がうまく混ざり合って、全然飽きさせず、むしろストーリーにどんどん引き込まれていくのだ。

ヒッチコックの「裏窓」も、主人公が自宅マンションからのぞいた風景のみで起きる話なので、「特別な一日」とおなじ演出である。そちらも名作だ。

 

イタリアは芸術発祥の地である。

一生に一度は主要都市を周りたいと思っているが、治安が悪いという話をよく耳にする。特に私が行きたいナポリはひどいらしい。

命が惜しいので、周れる時間とその分のお金、そして一緒に行ってくれる人ができるまで、古いイタリア映画をたくさん見て、妄想を膨らませようと思う。