こんなに小さかったかな「品川水族館」は。
先週の大雪が未だ溶けない。
東京にあんなに雪が降ったのは、子供のころ以来だろうか。
寒い寒い、と友達と言いながら、大森駅を約15分ほど歩いたところに「品川水族館」があった。
小学生のころ、社会科見学で行ったぶりである。
入り口や場所なんてすっかり忘れてしまっていた。
入場料は1300円ほどである。
中に入るとすぐにコイやニジマスが展示されていた。
水槽の奥に水草やその魚が生息している風景の絵が張られていて、銭湯の富士山みたいであった。
タコが展示されている水槽の上に、写真が貼られていたのだが、その写真も色あせてフィルムカメラで撮った写真だったので、懐かしく感じる。
昔行ったときはウニやヒトデを触るコーナーがあったが、なくなり
ドクターフィッシュの体験コーナーができていた。
わたしはもともと体験コーナーは好きではない。
なぜ、動物を触ることに価値があるのかわからないからである。
ドクターフィッシュも例外ではないが、子供たちは楽しそうに、じっと手を突っ込んでいたので、私もそこまでじゃないのか、となめていたが、実際はとてつもなく気持ち悪かった。
どうして手をつけた瞬間に、ドクターフィッシュがわかるのか、なぞである。
そしてなぜ一心不乱に手の角質をつつくのかも。
手を洗っても、しばらくつつかれている感覚が消えなかった。
気持ち悪かったが手は心なしかすべすべになった、気がする。
飼育員のお姉さんがダイビングウェアを着て、水槽で泳いでいる魚たちに餌やりをするショーがやっていた。
大きな水槽の中にエイや、おとなしいサメ(人食いであったらお姉さんも水槽にはいらず、触れ合わないだろう)になにかの貝の身をあげるのだが、餌をみた魚たちはギラギラしていて、お姉さんにくっついてきていて怖かった。
餌をやる際に、お姉さんがわたしたち観客に見やすいよう、水槽に餌をくっつけて、滑らせて魚に餌をやるが、かわいいエイもおとなしいサメも急に歯をむき出しにして、ばくっと一口で食べて泳いでいった。なんて野性的なんだろうか。とにかく一瞬の姿が怖い。
ひとがご飯を食べるとき、怖いと思わないのに、どうして魚だと怖いと思ったんだろうか。不思議である。
アシカショーを今までちゃんと見たことがなかったが、アシカは頭がいいんだなと感心した。
感動したことは、アシカショーのお姉さんが笛や、ジェスチャーをしてアシカを意のままに操っていたことである。
ここまで芸を仕込むのに、どれだけかかるのか分からないが、根気がいるということは簡単に想像できる。
アシカも芸をしたあとに餌をもらえるため、必死で覚えただろう。
自分が芸をするたび、人々の歓声があがることが、わかってたらいいのになと思った。
イルカの水槽は、イルカショーが水中から見れるように、配置されていた。
1階の地上でショーをやっていて、地下の水槽からイルカの尻尾や、ジャンプの瞬間が見えるのだ。
イルカがジャンプをした際、水面が大きく波打ち、真っ白の細かい泡がたくさんできて、とてもきれいだった。
あの狭い水槽をぐるぐるまわったり、助走をつけてジャンプをしているのに、一度も水槽にぶつかっていなかったことに驚いた。
疲れないのかな、あんなに集中して。
笑っているような顔をしているが、タフで頭のいいやつらである。
最後に、サメのコーナーがある。
サメの歯は種類によってだが、一週間に一回生え変わるサメもいるらしい。
エスカレーター式に、抜けた歯の下に新しい歯が生えていて、そのまま生え変わるそうだ。
サメの口の骨が展示されていたが、歯が多くて驚いた。
そして、歯並びが悪かった。
栄養、偏らずにね。バランスよく左右でたべないと口がゆがむよ、と助言してあげたい。
社会科見学より前に母、伯母、伯父、兄で品川水族館へ行ったこともあった。
私はたくさんイルカとペンギンのぬいぐるみが欲しかったが、そのうちの1つだけしか買ってくれなかったため、ギャーギャー駄々をこねて泣いたのを覚えている。
その売店は今もかわらずあった。
あのぬいぐるみはまだ売っているだろうか。
気になったが、もうきっと同じデザインはないだろうし、安いな、と思うのもなんだか寂しくなるのでやめた。
第一、あのぬいぐるみたちがあったところで、今の私はきっといらないと思うだろう。
それも寂しかった。
こんなにちいさかったかな。品川水族館は。
懐かしかったが、次にいくときは十年は先になりそうだ。