旅にでる 週末京都編 2
京都旅行2日目。
この日は、お祭りだった。
境内入り付近の通りには、食べ物の屋台があったけれど、多くはヴィンテージの着物や骨董、生地がずらりと並んで売られていた。骨董市のような雰囲気である。
訪れたのは中学の修学旅行ぶりだった。
学問の神様にあやかり、自由時間に班で訪れたのだ。
当時は閑散とした場所だなあと感じたけれど、今回の賑わいで、がらりと印象が変わった。
北野天満宮の、別の顔を見た気がする。
次に向かったのは鞍馬山。
牛若丸が鞍馬天狗から武術を習ったという、言い伝えがあるらしい。
鞍馬駅を降りると天狗のお面が売られていた。
ぴかぴかした赤色に、ぎろりとした目が描かれている。
鞍馬についてまず感じたのは、ぴんと伸びた同じような姿の木が、山一面に生えているということだった。
後日調べたところによると、杉の木のようである。
不思議な気持ちがした。
自然界のシンメトリーって少し不気味でざわざわする。その雰囲気に、ほんとうに鞍馬山に天狗がいるかもしれないと思った。
いざ入山。
頂上へ登るロープウェイがあったのだけれど、せっかくだし歩いて登ることにした。
急こう配の坂や、幅が狭かったり広かったりする段差に汗だくになったが、木々に囲まれていて、川が流れているからか、蒸し暑くはなかった。
道中に樹齢八百年の杉の木があった。
がっしりとした太い幹である。
こういうとき「人間にしたらいくつぐらいだろう」と考えずにはいられない。
鞍馬にお参りに来る人々を、じっと眺めているんだろうか。
頂上に到着し、お参りをした。
少し昇ると、鐘があったので鳴らしてみた。
ゴーンと、音が一面鳴り響く。
鼓膜がびりびりする。
好奇心で空洞になっている鐘の内側に、首を突っ込んでみた。鐘の外からと、内側とでは音の響きも大きさも、違って聴こえた。
こういうちょっとした発見が、旅を楽しくするのだ。
下りはロープウェーを利用した。頂上からスタート地点まで、およそ五分もかからず到着したので、あの道のりはなんだったんだと思ってしまった。
けれど、ロープウェイで昇っていたら、あの立派な杉の木も見れなかったのだ。歩いてよかった。
次回は2日目後編について書こうと思う。