のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

全ては雨のせいってことにしておこう

梅雨に入って、仕事が決まった。新しい仕事は接客営業である。特に気にしてなかったけれど今までも、ずっと同じようなことをしてきたので、接客が好きなのかもしれない。ニート卒業。

ただ、接客というより人のことが好きなんだと思う。相手が何に興味を持っているのか、どういう癖があるのかを見つけて人知れず喜ぶ(変態)。

 

アルバイトスタートなので、正社員目指して頑張ります。

 

 職場は良い人ばかりで、みんな仲がよさそうだった。良い意味で、肩の力が抜けている感じがした。

前の職場は真逆で殺伐としていたので、比べてしまう。昔のことを思い出すと胸がチクチク痛む。

 

新しい職場で前の仕事のことを聞かれるのは、当たり前のことだ。「どんな新人か」気になるし、わたしが逆の立場だったら絶対に同じように聞くだろう。けれど、その度にわたしの気持ちは少し暗くなって、返答する声のトーンが落ちてしまうのだ。

気を遣わせたくないので、すぐに気持ちを切り替えるようにしている。

 

こうやってじめじめと気にするのは雨のせいだ。

なんで雨は感傷的になるんだろう。

アバウトタイムや雨に唄えばのような、幸福な雨のシーンもあるけれど、ほとんどの映画やアニメで、雨は典型的な展開に使われることが多くて、どれもわたしは好きじゃない。

その世界のなかでは、恋人たちが喧嘩でもめてびしょびしょになるし、ひどく落ち込むことがあると傘もささずにずぶぬれで徘徊するし、猫は雨の日に捨てられる。

 

実生活の話をすると、イベント事に雨になることが多かった。わたしは雨女である。

あまりにも雨が続くので、時代が違えば「恵みの雨をもたらす巫女」にでもなって、神格化されたかもしれないと思った。あと千年早く生まれてたらなんて、少しだけ悔やまれる。ちやほやされたかった。現代じゃ全然うれしくない。

 

まず学生時代の運動会、体育祭は何回も雨で中止になった。

運動は得意ではなかったので「雨のせいで運動会が中止になって残念だな」というより「雨だし、運動会だし最悪だ」と思っていた。

中学の頃は始まってから降ったもんだから、雨でぬかるんだ校庭のせいで真っ白な靴下と靴が土色になった。五月だというのに、水分を含んだ靴と靴下のせいで足の末端は冷たくなって、すごく気持ち悪かったのをよく覚えている。

 

高校の体育祭も雨だった。午前中におひらきになって、お腹も空いたし足も冷たいしで、「このまま帰れるか!」と、友達数人でマクドナルドにいっておしゃべりした。そろそろ帰ろうか、と言ってテーブルの下で脱いでいたびしょびしょの靴下を履きながら最悪ーって、みんなでギャーギャー言い合った。

 

数年前に友達とディズニーシーに行った時も、大雨だった。

なぜそんな日に行ったかというと、その友達と当時はなかなか予定が合わなかったし、わたしはその頃ディズニーシーが好きでよくいっていたからだ。

たったその日だけ、しかもアフターシックスでしか予定が合わなかったのだが、どうしても行きたかったのである。

そのうちやむだろうと前向きに考えて行ったけれど、結局一日中雨だった。

おまけにその日は風も強かったのだ。

 今思えばそんな天気なのに、搭乗中止にならなかったのが不思議である。

「これが折れたら、高い傘買わなきゃいけない」と、持っていた傘がひっくり返らないように、必死になって持ち手を両手で掴んだ。やわなビニール傘はブルブル震えて、空に飛んでいきそうになった。

 

そんな状況なのに、友達は「ディズニーでメリーポピンズになれる」とふざけて言ったのだ。冗談じゃない。

 

一つだけ良かったことは、どのアトラクションも空いていたことである。いつもは九十分待ちの乗り物も、最大で三十分ほどの待ち時間だったのだ。閉園時間が近づくと、さらに待ち時間は短くなった。

センターオブジアースのクライマックスは突然コースが屋外に出る。そこから、真っ逆さまに落ちる瞬間、ザーッと降ってきた雨をたくさん浴びた。友達と大笑いした。その日風邪は引かなかった。

  雨は憂鬱と、へんな思い出を連れてくる。

 

 

 ちなみにタイトルは、るろうに剣心のアニメのエンディング、BONNIE PINKの「It's gonna rain!」の歌詞です。るろうに剣心の曲はどれもよかったなあ。

雨についての曲は名曲が多くて不思議だ。目で見るより、耳で聴いて情景を想像する方が良いということだろうか。


Rurouni Kenshin - Ending 5 Sub Esp - Jap