のぐちよ日記

映画、本、アート、日々のことをちまちまと。

あの頃の授業と永田豊志 「頭のいい人は『図解思考』で考える!」について

高校生の頃、公民の授業が好きだった。担当は20代後半~30代前半の若い男性の先生だったと思う。

面長でほっそりとした先生で、髪はいつも短くきちんと刈り上げていて、いつみても同じ髪型。

黒板の文字を上から下へ、まっすぐひいて消していくので、その先生がつかう黒板はいつもきれいだった。このことから、先生は几帳面できっちりしている人だという印象があったのだけれど、それは授業スタイルでも同じことだった。

 

先生はいつもB4サイズのプリントを配布していた。プリントの重要語句は空欄『』があいていて、授業で埋めるスタイルである。

そのプリントに、図も書いてあったので、内容が覚えやすかったし、その先生はテストもほぼプリントの内容からしか問題を出さなかったので、クラスの平均点も高かった。

 

多分、話したらすごく面白くて楽しそうな先生だったけれど、1回の授業のプリント分、その日に終わらせないと、と思っていたのか分からないが、雑談や生徒のからかいも聞かず、黙々と授業をするような先生だった。

 

その先生の合理的で、生徒たちに無関心な様子は、多感な年ごろのわたしには心地よかった。わたしはもともと先生という人たちが嫌いで、説教を聞くのに苛々していたのだ。

生徒と距離をとっているような先生だったけれど、授業もわかりやすくてテストの点も勉強すればとれるので、3年生で経済が選択授業になり、先生が受け持つと、ほとんどの人がその授業をとったと記憶している。わたしは、歴史が好きだったので、先生の授業をとらなかったけれど、歴史に興味がなかったら、迷わず先生の授業をとっていたと思う。

 

仕事の時に、もっとノートの取り方を工夫しようと思って、買ったまま積読していた本がこの前出てきた。

 

 

断片的な、例えば英単語を単語だけで丸暗記をしようとするとなかなか覚えられず、かつ覚えたとしても、すぐに忘れてしまう。

記憶に定着させるためには、図を描いたり表を作って関連付けて覚えましょう、というのが本の内容である。

今更ながらこの本を読んだのだが、具体的でわかりやすく、とてもためになった。

プレゼン資料を作る人や、なにかの資格・勉強をしていて、なかなか覚えられない人はこの本を参考にしてノートを作るといいと思う。

 しっかりとした分厚い紙の本であるし、トピックごとにインデックスもあるので、辞書のような使い方で、ずっと手元に置いておきたい本だなあと思った。

 

わたしはこの本を読んだときに、高校のころの公民の先生を思い出した。

本に書いてあったどれもが、先生のプリントにつかわれていた図形なのだ。

あの先生は、やっぱりすごい人だったんだなあ。

「このプリントをノートに張ってください。重要語句は空欄にしてあるので、穴埋め式で授業していきます。」

初めて授業を受けた時の先生の指示を思い出した。

あれはもう10年近く前だけれど、このやり方を考案したことはすごいことなんじゃないか、先生の授業の仕方とか教えたらきっと需要があるんじゃないかと思ったけれど、こうやって本で出回っているということは、割とありふれたことなのかもしれない。ただ、わたしにとっては新鮮なことであった。

 

当時、わたしの成績は中の下。効率的にだとか努力して、とかそういったものに無縁だったので、ひたすら書いて覚えていた。

そのうち友達にノートを見られて「デスノートかよ」と言われた。非効率で気味の悪い勉強法だったので、誰にもおすすめしたことはない。

 

そういえばTOEICを受けたいと思いつつ、全く勉強をしていない。

この本から学んだやり方で挑戦してみようかな、と思った。